全国のきもの速報
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〜スペイン・バルセロナ編〜 (2011-12-28 17:48:34)
バルセロナ編も5つ目のアップになりました
さて、バルセロナで頑張っている高校時代の同級生が取材してくれた記事の内容です
10月29日から11月1日の四日間、バルセロナで漫画フェスティバル『第17回サロン・デ・マンガ(Salon de
Manga)』が開催された。日本のアニメやマンガ、日本文化などが紹介されるイベントで、1995年より毎年秋に開かれている。漫画やアニメが大好きなスペイン人やアニメのキャラクター等に扮したコスプレ参加者で盛り上がるなか、“紋付き袴”姿で登場し一際目立った日本人がいた。 創業63年、北海道札幌市で着物の総合加工を行う野口染舗(のぐちせんぽ)の5代目、
野口繁太郎さんだ。
野口さんは、若者に着物がもっと身近になる事を目標に独自デザインの若者向け和服を生産する傍ら、日本でも薄れ行く着物の存在と 本当の素晴らしさを世界に向け伝える活動を行っている。今回サロン・デ・マンガに参加し、最も敷居の高い紋付き袴でステージに上がり、「キモノ」の最高位を披露した。
紋付き袴は祖父から受け継がれて来た3代目のもので、サイズは野口さんの丈に縫い直されている。野口さんは言う、「洋服は着る人のサイズに合わせて生地をカットして作るのが普通、でも着物は一定の大きさの生地を着る人の丈に合わせて織り込み作るので、着る人が変われば縫い直す事でその人のサイズに再加工が出来る。その辺りの和服の持つ概念を外国人に分かってもらうのは難しい」。
そこで、野口さんは気軽に着用できる「着流し」と着れば着るほど味が出るデニム生地に着目し、今秋、構想から3年で「着流しデニム」を完成させた。完全国産にこだわり、生地はオーガニック綿100%の岡山産デニムを天然藍染加工して使用し、縫製にもこだわり地元札幌で仕上げた。実際、この「着流しデニム」とアイヌ刺繍がほどこされた角帯を身につけ、バルセロナの中心ランブラス通りを歩いた。和服を時流に合わせ、違和感なく着こなしているからであろう、着流しを着て歩く彼に特に目を留める人はいなかった。これが彼の求める「身近な着物」の存在である。
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